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Axie Infinityの運営が作ったチェーン、Roninチェーンとは何か?

目次

Roninチェーンとは何か

Roninチェーンは、ベトナムのスタートアップであるSky Mavis社が開発した、イーサリアムのサイドチェーン(あるいはレイヤー2ソリューション)の一種です。Sky Mavisは、世界的に人気を博したNFTゲーム「Axie Infinity」で知られ、そのゲーム体験の向上とトランザクションの効率化を目的に独自設計したブロックチェーンがRoninチェーンになります。

通常、イーサリアム本体上で大量のトランザクションを処理する場合、ガス代と呼ばれる手数料が高騰したり、ブロックチェーンの処理が混雑したりといった問題が生じます。そこで、ユーザーの取引やアセット移動を別のチェーンで処理し、必要なときだけ本体のイーサリアムネットワークとやり取りする仕組みが考案されました。Roninチェーンでは、このようなサイドチェーンの特性を活かし、ユーザーがゲーム内でのトランザクション(キャラクターの取引やゲーム内トークンの移転など)をスムーズに実行できるようにしています。また、ガス代が安価に抑えられるため、多くのユーザーが気軽に利用できる環境を提供していることも特長です。

Roninチェーンはプルーフ・オブ・オーソリティ(Proof of Authority, PoA)を採用しており、信頼できるバリデーター(検証者)がトランザクションを承認します。現在はSky Mavisが選定したバリデーターが運用を担っており、将来的にはバリデーターの分散化をさらに進めることでネットワークの安全性と透明性を高めるとしています。


Roninチェーンの歴史

Roninチェーンの開発背景には、Axie Infinityの成功がありました。Axie Infinityは、モンスターである「Axie」を育成・バトルし、NFTとしての資産価値を持たせることで人気を博したブロックチェーンゲームです。

Axie Infinityについてはこちらで解説しています。

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しかし、ユーザー数とトランザクションが爆発的に増えた結果、イーサリアムの混雑とガス代の高騰により、ユーザー体験に負荷がかかるようになりました。

そこで、Sky Mavisは独自のスケーリングソリューションとしてRoninチェーンを2020年後半から開発。2021年初頭にはRonin上でのAxie Infinity稼働が本格化し、ユーザーはイーサリアム本体に比べて格段に安く、かつ高速な取引を体験できるようになりました。Roninは、Axie Infinity内の取引量を大幅に引き受けたことで一躍注目され、ブロックチェーンゲーム専用に最適化されたサイドチェーンの代表格となります。

その後、Roninチェーンでは、ゲーム内トークン「SLP(Smooth Love Potion)」やガバナンストークン「AXS」のやり取り、Axie同士の売買が活性化し、多くのプレイヤーが効率良くゲームを楽しめるようになりました。さらに、Roninブリッジを通じて、イーサリアム上の資産をRoninチェーン側へ持ち込み、ゲーム内で活用する仕組みも整い、ユーザーエクスペリエンスの向上が続きました。


Roninチェーンの事件について

RoninチェーンはNFTゲームの普及を後押しした反面、大きな事件にも見舞われました。2022年3月下旬、Roninネットワークがハッキングを受け、総額6億ドル(日本円で700億円超ともいわれる)相当の暗号資産が盗まれるという衝撃的な事件が発生したのです。これは暗号資産史上最大級のハッキング事件の一つとなりました。

このハッキングの主な原因は、バリデーターの少なさとRoninブリッジに対するセキュリティの甘さにあったとされています。当時、Roninチェーンの運用バリデーターは9つのみであり、そのうち過半数の5つを掌握することで不正なトランザクションが承認されてしまう状況でした。攻撃者は巧妙に侵入経路を確保し、Roninブリッジの秘密鍵を奪取。結果、膨大な量のイーサ(ETH)とUSDCが不正に引き出されました。

この事件を受け、Sky Mavisは直ちにRoninブリッジを停止し、調査を開始するとともに、外部のセキュリティ企業や捜査機関と連携して資金の追跡を進めました。その後、ブリッジのコードレビューや監査を徹底し、バリデーターを増やすなどセキュリティ対策を強化。2022年夏にはRoninブリッジが再開し、利用者は再びトークンの移転ができるようになりました。事件後もAxie InfinityやRoninチェーン自体は存続しており、セキュリティが向上した形で運用が続いています。


Ronin上のブロックチェーンゲームについて

Axie Infinity

Roninチェーンといえば、やはり「Axie Infinity」の存在が欠かせません。可愛らしいクリーチャー「Axie」を集め、育成・バトルを通じてゲーム内トークンを稼ぎ、それを現実世界で交換可能なNFTとして保有できるのが大きな特徴です。Roninに移行してからはガス代の低減と高速処理が実現し、ユーザー体験が劇的に向上しました。現在もAxie InfinityはRoninチェーン上で最も活況を呈するゲームの一つとなっています。

その他のRonin対応ゲーム

Roninチェーンは、長らくAxie Infinity専用のイメージが強かったものの、近年ではほかの開発会社や独立系クリエイターがRonin上で新作ゲームのテストやリリースに取り組むようになっています。2022年以降、Sky Mavisは外部開発者の参入を促進するため、Roninチェーンのソフトウェア開発キット(SDK)の整備や、ドキュメントの公開、またアクセラレーションプログラムなどに力を入れています。

新しいRonin対応ゲームとしては、カードバトルやRPG、シミュレーションなど、多彩なジャンルのタイトルがリリースあるいは開発中です。Roninのメリットである低ガス代・高速トランザクションを活かし、ユーザーはストレスなくゲームを楽しめることが期待されています。加えて、直感的なUI/UXも強化されており、初めてブロックチェーンゲームを触るユーザーでも比較的スムーズに参加できるよう工夫が進んでいます。

Roninチェーンの今後の可能性

RoninチェーンはSky Mavis社がコントロールする側面が強いですが、徐々にバリデーターが拡大され、サードパーティの参入も増えてきました。今後、さらなる分散化やガバナンスの仕組み強化が進めば、Roninチェーンの安全性・透明性は一層高まり、多くのゲームデベロッパーにとって魅力的なインフラとなるでしょう。

また、Roninチェーンは“ゲーム特化型サイドチェーン”としてアピールしてきた実績もあり、ユーザーにとっては「ブロックチェーンゲームで遊ぶなら、まずRonin」という選択肢が定着しつつあります。これまでブロックチェーンゲームに触れたことのない新規ユーザーも取り込みながら、エコシステムを拡大していく可能性が高いです。


まとめ

Roninチェーンは、Sky Mavis社のヒット作「Axie Infinity」を支えるために開発されたサイドチェーンとして、高速かつ安価なトランザクションを提供し、ブロックチェーンゲームのハードルを下げる大きな役割を果たしてきました。しかし同時に、2022年に起きた大規模ハッキング事件が示すように、運用体制やセキュリティ面で課題を抱えている面もありました。事件後の対策強化やシステム改善により、現在は再び安定的に運用されており、多様なゲームタイトルの開発・ローンチが進められています。

Roninチェーンの強みは、何といっても「ゲーム開発に特化したインフラ」である点です。ユーザーが気軽にNFT資産をやり取りしつつ、ブロックチェーンの複雑さを意識せずに遊べる環境を提供しているため、ブロックチェーンゲーム界隈において特別な地位を確立しつつあります。イーサリアムとの相互運用をベースにしながら、独自のエコシステムを築くRoninチェーンは、これからもブロックチェーンゲームの発展を牽引していく存在となるでしょう。

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