CryptoSpellsが先日サービス終了を発表しました。
CryptoSpellsは6年ほどサービスを運営していた歴史があるため、今回はCryptoSpellsの歴史を振り返っていきます。
2018年
2018年は、CryptoSpellsがまだ構想の段階だった年でした。4月にCryptoGames株式会社が設立され、「日本初の本格ブロックチェーンTCG」を掲げてクリスペの企画がスタートします。既存のデジタルカードゲームとは異なり、「カードそのものをユーザーが所有する」世界をつくることが目標として掲げられていました。
同年10月には、いよいよプレセールが始まりますが、開始からわずか数日でカード画像の著作権をめぐる問題が発覚し、プロジェクトは大炎上してしまいます。
運営は全購入者への全額返金を決断し、公式SNSには批判が殺到しました。運営が「体制を整えてやり直す」と公言したことが特徴的でした。
2019年
2019年は、炎上から立ち直り、「遊べるプロダクト」として再出発した年でした。3〜4月にかけてオープンβテストが行われ、正式リリース前ながら2,000人規模のユーザーがゲームバランスやUIを試す場となります。この段階からすでに、「ブロックチェーンを意識させないTCG」にするという方針がはっきりしていました。
6月の正式リリースと同時に実施されたクラウドセールでは、レジェンドカードが完売し、ゴールドも多数売れ、最終的に約900ETHを集める大成功となりました。当時の国内ブロックチェーンゲームとしては異例の規模で、炎上スタートから一転して「国内BCGの本命タイトル」というポジションを勝ち取った瞬間だったと言えます。
年後半には、ギルド機能や採掘システム、第1回公式大会など、現在のクリスペ像につながる要素が出そろっていきました。
2020年
2020年は、クリスペが「暗号資産クラスタの遊び」から一歩外へ出た年でした。採掘やギルド経済の整備が進む一方で、ゲームとしての遊びやすさを高めるアップデートが相次ぎます。デイリーミッション、スピリット、クエストなど、毎日ログインして遊ぶモチベーションを高める仕組みが導入され、TCGとしての手触りが一段と“ソーシャルゲーム寄り”になっていきました。
5月には、スマートアプリ社と組んで専用アプリ「GO!クリスペ」がリリースされ、ブラウザとウォレット前提のUIから、一般的なスマホゲームに近い操作感へと進化します。ウォレットやブロックチェーンの存在を意識させずに遊べる導線は、「Web3ゲームだけれど、ゲームとして普通に遊べる」ことを示す象徴的な出来事でした。
そして同じタイミングで放映されたのが、人気YouTuberのもこう氏・むじょる氏を起用したTVCMでした。
2021年
2021年は、クリスペが「ゲーム」という枠を超え、NFTエコシステムの一角として振る舞い始めた年でした。イーサリアムのガス代高騰が続くなかで、処理の高速化とコスト削減をねらってPolygonへの対応が進められます。これにより、カードの取引やNFTの移動を、より軽量な環境で行えるようになっていきました。
同時期に、クレジットカード決済対応のNFTマーケット「NFTStudio」がリリースされ、CryptoGamesはゲーム会社からNFTスタジオへと活動範囲を広げていきます。ゲーム内カードのNFT化だけでなく、外部IPのNFT発行や企画・運営までを手がけることで、クリスペは自社NFT事業の「ショーケース」のような立ち位置になっていきました。
NFTバブルの盛り上がりに合わせて、アイドルやVtuber、取引所とのコラボも増えていきます。
2022年
2022年は、CryptoSpellsが単なる1タイトルを超え、「TCG向けブロックチェーンの運営者」へと役割を拡張した年でした。イーサリアムのガス代高騰により、一時期はオフチェーン運用に切り替えたことでオンチェーンでの活動が見えにくくなっていましたが、ゲーム特化チェーンOasysのL2として「TCG Verse」を立ち上げることで、この問題に再挑戦することになります。
TCG Verseでは、クリスペをはじめとしたTCGタイトル向けに、ガス代無料・即時承認の環境が用意されました。ゲーム内マーケットの取引も再びブロックチェーン上で可視化されるようになり、「遊びやすさ」と「オンチェーン性」の両立をもう一度目指すフェーズに入ったと言えます。
さらに2022年は、NFTにゲーム的価値を付与する「NFT Wars」との連携や、やしろあずき氏×ふるさと納税のカード企画など、Web3ならではの企画も目立った年でした。
2023年
2023年は、TCG Verseを軸にしたエコシステムが本格的に動き出した年でした。クリスペはその看板タイトルとして、チェーン上でのNFT販売やトークン配布を通じて、Verse全体のプレイヤーやホルダーを増やす役割を担っていきます。
具体的には、TCG Verse上の限定NFTを取引所ZaifのINO(Initial NFT Offering)形式で販売したり、Oasys初のNFTプロジェクトであるOASYXホルダーに対してクリスペNFTやTCGCトークンのエアドロップを行ったりと、ブロックチェーン全体の活性化にコミットする取り組みが続きました。クリスペは単に自分のゲームユーザーを増やすだけでなく、「チェーンの入口」として機能し始めました。
この年の動きは、ゲームタイトルから一歩引いて“インフラ側にも立つ”クリスペの立ち位置をより明確にしたと言えます。
2024年
2024年は、CryptoSpellsがサービス開始から5周年を迎えた節目の年でした。2019年の正式リリースから数えて5年続くブロックチェーンゲームは少なく、クリスペは「最初期から続いているNFT-TCG」として老舗の風格を帯びるようになっていきます。
5周年キャンペーンでは、記念NFTのエアドロップやカード人気投票、記念コロシアム大会など、コミュニティを巻き込んだ企画が展開されました。
SNS上では「#クリスペ5周年」のハッシュタグで思い出投稿が集まり、初期から遊んでいたプレイヤーだけでなく、途中参加のユーザーも含めたWeb3 TCGの歴史がタイムライン上に並ぶ形になりました。
ゲーム内では、複数年にわたるアップデートの結果として、文明ごとのレジェンドカード、ユーザー発カード、コラボカードなどが揃い、カードプール自体が一種のアーカイブのような存在になっていました。
2025年
2025年は、CryptoSpellsの節目であり、ひとまずの最終章となる年でした。6月にはサービス6周年を迎え、SNS上でのキャンペーンやユーザー投稿を通じて、長年のプレイヤーが改めてゲームへの思いを共有しました。カードプールや大会履歴など、積み上がった資産は「6年続いたWeb3 TCG」の重みを感じさせるものになっていきます。
一方で夏には、TCG Verseチェーンの運用停止が発表され、クリスペのNFTはOasys Hub側に移行する方針が示されました。これは、Verseを中心にしたエコシステムを一段落させる決断でありつつも、NFTとしての所有権や流通は別のレイヤーで維持していくための措置でもあったと言えます。
そして11月には、2025年12月15日をもってCryptoSpellsのゲームサービスを停止することが公式に告げられました。

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